~来タレ我軍曹!×4受限定軍曹&4受大臣憩いの場★~
・・・・・・雪も味方してくれる・・・・・・
Trowa×Quatre
雪の日の小さなお話です。
せせこましい、もとい、
ささやかなお話がお好きなかたは、
どうど、読んでやってください。
本文を読むから、どうぞ、どうぞーv
読み終えられてお嫌いじゃなければ、
拍手やコメントしてやってくださいませませvv
Trowa×Quatre
雪の日の小さなお話です。
せせこましい、もとい、
ささやかなお話がお好きなかたは、
どうど、読んでやってください。
本文を読むから、どうぞ、どうぞーv
読み終えられてお嫌いじゃなければ、
拍手やコメントしてやってくださいませませvv
・・・・・・ 雪も味方してくれる ・・・・・・
太陽が真上に来る時刻になっても、路上に雪が残っているだけで、本来なら”結構な雪“というような土地。今日はこの地方においての観測史に残る日となった。
歩くこともままならない雪の日に、トロワとカトルは散歩していた。そぞろ歩きのその理由は「カトルのたっての願い」ただそれだけだ。酔狂に見えるカトルは大目に見たとしても、願いに付き添うトロワは、付き合いがいいにも程があるとヤジられるかも。
夜半ということもあり、二人以外に人影は皆無。雪は止んでいたが、慣れないこんな天気では、誰もが家の中に閉じこもるのも当然だろう。物好きは多くはいないということか。
頭上の木の枝も先のほうまで不出来なメレンゲを乗っけられている。歩道と道路の境界線も消え、常緑樹の葉も家の屋根も真っ白になった世界には、二人以外に誰もいない。
夜道だというのに、銀の反射光のお陰でカトルの白い肌がよく見える。雪の明かりという癖のある色味のなかでも、頬は薄紅をつけていた。
雪深い国には美しい人が多いと言うが、粗も全て吹き消すような下からの強烈な反射板(の役を担う雪)のせいでそう見えたのだろうというのがドライなトロワの見解。
もっとも、
「カトルにはレフ版は不要だな」
というのがトロワの本音だ。
「なに、トロワ? 今なにか言った?」
雪を踏む音と、コートが鳴る音。それから自分の呼吸音で、トロワの呟きはカトルには届かなかった。
ザッグザッグと雪を踏み締め、足を取られカトルが転びそうになること八回。その回数分トロワは転倒を回避させるため、コートごと掴んでいるカトルの手首を引いた。そして、やはり同じ回数だけカトルは笑い、トロワに礼を言った。
「足場が悪い場所は気をつけろ」
カトルに引っ張られる以外は問題なく雪道を進むトロワが、至極当たり前のことを助言するのにカトルは、
「気をつけているつもりなんだけど、。そもそも、どう気をつけたらいいのかが、よくわからないんだ」
自分では慎重に歩いているつもりなのに……と、首をひねる。
会話を交わした次の瞬間にも、カトルは雪に足を取られていた。
そんなことを繰り返していたせいで、さすがに懲りたのだろうか。何も言わずにトロワがカトルの手首をとってくれているだけだったが、自然に、カトルからもトロワの腕を握っていた。その構図はいつしか、自然と手を握り合うものになっていた。
冷気で耳まで痛むのか、余った片手でカトルは時折耳たぶをつまむ。それなのに、寒さに口が凍える様子もなく通常以上にカトルの口数は多くなっていた。そんなカトルの様子をトロワは少し不思議だとさえ思う。
「カトルは楽しそうだな。寒いのは苦手だろ」
「うん。熱いのほど得意ではないね」
状況や案じるトロワとは噛み合わないくらいに、カトルは晴れやかな声をしていた。
「声を弾ませて言う台詞じゃないな。この雪が嬉しくてたまらないようにしか見えないんだが」
そう言ってカトルを見遣ったトロワの目許は穏やかで、この状況を彼も不快には感じていないとわかる。
目を合わせたカトルが、一層微笑みを深くした。
「だって、この雪のお陰で願いが叶ったんだもの。うれしいよ。……ボクね、一度でいいからトロワと手をつないで歩いてみたかったんだ。――――夢が叶った」
カトルは「これが夢です」とばかりに、繋いでいる手を振り子のように振った。
思ってもみない、そんなカトルの告白に、トロワが驚きと恋人可愛さに胸を掻き乱されたとこは言うまでもない。命綱を握り締める強さで捕まっているこの小さな手は、そんないじらしい夢を持っていたのだ。
新鮮な感動や発見は二人の間から、どこからともなくやってくる。“愛する”ということは、恋よりも堅実で尊いものかと思っていたが、“恋する”気持ちもその中にしっかりとある。二つは手を取り合って共存しているようだ。
真っ白を通り越して雪が銀色にきらきらと光る。そのきらめきは大気自身が輝いているような錯覚を覚えさせるもので、情景さえカトルのために夢になったようだった。
人目をはばからずどうのという趣味はない二人だが、人気のない今なら誰に気兼ねすることもない。
「夢に追記をしても構わないな」
静かなままのトーンでトロワは断定して、カトルに視線を向ける。
深緑を湛えた瞳が魅力的な色をともす。磁石に引き寄せられるよう、見上げた碧い瞳は降りてきた影に視界を遮られていた。
ひとつになるように重なる影を知るのは、いつも見つめられる側の立場である、雪の世界だけだった。
太陽が真上に来る時刻になっても、路上に雪が残っているだけで、本来なら”結構な雪“というような土地。今日はこの地方においての観測史に残る日となった。
歩くこともままならない雪の日に、トロワとカトルは散歩していた。そぞろ歩きのその理由は「カトルのたっての願い」ただそれだけだ。酔狂に見えるカトルは大目に見たとしても、願いに付き添うトロワは、付き合いがいいにも程があるとヤジられるかも。
夜半ということもあり、二人以外に人影は皆無。雪は止んでいたが、慣れないこんな天気では、誰もが家の中に閉じこもるのも当然だろう。物好きは多くはいないということか。
頭上の木の枝も先のほうまで不出来なメレンゲを乗っけられている。歩道と道路の境界線も消え、常緑樹の葉も家の屋根も真っ白になった世界には、二人以外に誰もいない。
夜道だというのに、銀の反射光のお陰でカトルの白い肌がよく見える。雪の明かりという癖のある色味のなかでも、頬は薄紅をつけていた。
雪深い国には美しい人が多いと言うが、粗も全て吹き消すような下からの強烈な反射板(の役を担う雪)のせいでそう見えたのだろうというのがドライなトロワの見解。
もっとも、
「カトルにはレフ版は不要だな」
というのがトロワの本音だ。
「なに、トロワ? 今なにか言った?」
雪を踏む音と、コートが鳴る音。それから自分の呼吸音で、トロワの呟きはカトルには届かなかった。
ザッグザッグと雪を踏み締め、足を取られカトルが転びそうになること八回。その回数分トロワは転倒を回避させるため、コートごと掴んでいるカトルの手首を引いた。そして、やはり同じ回数だけカトルは笑い、トロワに礼を言った。
「足場が悪い場所は気をつけろ」
カトルに引っ張られる以外は問題なく雪道を進むトロワが、至極当たり前のことを助言するのにカトルは、
「気をつけているつもりなんだけど、。そもそも、どう気をつけたらいいのかが、よくわからないんだ」
自分では慎重に歩いているつもりなのに……と、首をひねる。
会話を交わした次の瞬間にも、カトルは雪に足を取られていた。
そんなことを繰り返していたせいで、さすがに懲りたのだろうか。何も言わずにトロワがカトルの手首をとってくれているだけだったが、自然に、カトルからもトロワの腕を握っていた。その構図はいつしか、自然と手を握り合うものになっていた。
冷気で耳まで痛むのか、余った片手でカトルは時折耳たぶをつまむ。それなのに、寒さに口が凍える様子もなく通常以上にカトルの口数は多くなっていた。そんなカトルの様子をトロワは少し不思議だとさえ思う。
「カトルは楽しそうだな。寒いのは苦手だろ」
「うん。熱いのほど得意ではないね」
状況や案じるトロワとは噛み合わないくらいに、カトルは晴れやかな声をしていた。
「声を弾ませて言う台詞じゃないな。この雪が嬉しくてたまらないようにしか見えないんだが」
そう言ってカトルを見遣ったトロワの目許は穏やかで、この状況を彼も不快には感じていないとわかる。
目を合わせたカトルが、一層微笑みを深くした。
「だって、この雪のお陰で願いが叶ったんだもの。うれしいよ。……ボクね、一度でいいからトロワと手をつないで歩いてみたかったんだ。――――夢が叶った」
カトルは「これが夢です」とばかりに、繋いでいる手を振り子のように振った。
思ってもみない、そんなカトルの告白に、トロワが驚きと恋人可愛さに胸を掻き乱されたとこは言うまでもない。命綱を握り締める強さで捕まっているこの小さな手は、そんないじらしい夢を持っていたのだ。
新鮮な感動や発見は二人の間から、どこからともなくやってくる。“愛する”ということは、恋よりも堅実で尊いものかと思っていたが、“恋する”気持ちもその中にしっかりとある。二つは手を取り合って共存しているようだ。
真っ白を通り越して雪が銀色にきらきらと光る。そのきらめきは大気自身が輝いているような錯覚を覚えさせるもので、情景さえカトルのために夢になったようだった。
人目をはばからずどうのという趣味はない二人だが、人気のない今なら誰に気兼ねすることもない。
「夢に追記をしても構わないな」
静かなままのトーンでトロワは断定して、カトルに視線を向ける。
深緑を湛えた瞳が魅力的な色をともす。磁石に引き寄せられるよう、見上げた碧い瞳は降りてきた影に視界を遮られていた。
ひとつになるように重なる影を知るのは、いつも見つめられる側の立場である、雪の世界だけだった。
■FIN■
初出2002,1,6「XOXO」から
それに少しの加筆訂正をしました
それに少しの加筆訂正をしました
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プロフィール
HN:
たみらむゆき軍曹&碧軍曹
性別:
非公開
職業:
カトル受専門の夢想家(野望)
趣味:
カトルいじり・カトル受妄想
自己紹介:
むゆきと碧
2人のカトル受限定軍曹が
同志を募って
集って憩ってしまう場を
つくろうと
もくろんだしだいであります。
小説や絵を
UPするのであります。
日記は書く気なし!
(そして、
まともなプロフィールを
語る気もなし。。笑)
軍曹はカトル・ダーリンズ
だいちゅきトークが
したいだけでありますから!
「我軍曹ッ!」
の名乗り随時募集中v
いつか、軍曹の集いを
したいものでありまっす★
しかして、
「なぜ軍曹?;」と、
大半の方に思われてるだろう。。
カトル受最前線で戦い続けるため
出世しすぎて
外野にはいかないからの
万年軍曹であります!
ちなみに最近急に
自分のことを、
「4受大臣」とも名乗るように。
「4受大臣補佐官」など(笑)
こ、これは進化なのか!?(笑)
我が魂、
カトル受とともにあり★(ビシッ!)
2人のカトル受限定軍曹が
同志を募って
集って憩ってしまう場を
つくろうと
もくろんだしだいであります。
小説や絵を
UPするのであります。
日記は書く気なし!
(そして、
まともなプロフィールを
語る気もなし。。笑)
軍曹はカトル・ダーリンズ
だいちゅきトークが
したいだけでありますから!
「我軍曹ッ!」
の名乗り随時募集中v
いつか、軍曹の集いを
したいものでありまっす★
しかして、
「なぜ軍曹?;」と、
大半の方に思われてるだろう。。
カトル受最前線で戦い続けるため
出世しすぎて
外野にはいかないからの
万年軍曹であります!
ちなみに最近急に
自分のことを、
「4受大臣」とも名乗るように。
「4受大臣補佐官」など(笑)
こ、これは進化なのか!?(笑)
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