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~来タレ我軍曹!×4受限定軍曹&4受大臣憩いの場★~    
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~kisses 4~


トロワ×カトル




本文4本中のラスト4本目です。
ここまでたどり着いたあなたさま、ありがとうございましたv
イチャイ(イタイのではなくイチャついているの意である)シーン
かもしれないところもでてきますが、
なんてことはないのでする。
でも、イヤな人は回れ右してくださいね。
そいでは、一気にラストまでいってちょーよ。


~kisses~  トロワ×カトル


■4■

 
* * * * *
 
 
 
 
 
 約束通りのショッピング。空は晴れだし二人の心もあたたかだ。
 車はカトルが運転をした。いつもリムジンの後部座席にばかり詰め込まれているので、飽き飽きだそうだ。こういうときこそ日頃のストレス解消にトロワと二人、ドライブ気分を味わいたい。
 そう言えば戦中の旅の間も、カトルは率先して操縦席に座っていた。
「デュオがね、ボクの運転上手だって、昔、言ってくれたんだ」
 前についていた、鈍そうなのにって言うのは、物凄い誤解だとカトルは思っているので言わない。トロワは口に出さないが、どう思っているのだろうか。
「そうだな、安定感がある」
 運転すると性格が変わるということがあるが、カトルの場合それは無いようで穏やかな走行をしていた。トロワも安心して助手席に座っていることが出来た。
「カトルらしい周りを気遣う穏やかな走りだ」
 トロワは基本的にカトルを否定するようなことはしない男だった。カトルも優しくて格好良いトロワにメロメロなので、あばたもエクボ的発想が多い。二人の褒め殺し合戦は、告白する前の戦中からよく見られた光景だった。お互いが真剣だから困る。居合わせた者の恥ずかしさは並ではない。
 そう言えば、長身で腰の位置も高く顔立ちもすこぶる良いときているので、トロワはよくモデルと比較されたり間違えたりされているが、カトルもたまにモデルのようだと言われることがあった。しかしカトルは手放しで喜んでいられなかったのだが。なぜならば、それは女性のスーパーモデルを引き合いに出しての言葉であったのだ。確かに男性モデルと言えるほどの背丈はカトルには無かったし、フェミニンな顔立ちは中性的で、はっきりと言ってしまえば美少女のようだった。
 強い意志を持つ瞳が「僕はオトコのコですからぁ!」とアピールしていたから、成長してからは正面きってはカトルを女の子と間違える者は表面上いなかった。幼少の頃は姉たちのオモチャにされていたが、……と、過去形にしたかったが、現在進行形で、数集まればカトルは彼女たちの等身大の着せ替え人形さんだった。それでも「負けないっ!」と、思っているカトルは健気である。まあ、だからこそ余計に姉たちは面白がるのであろう。素直な人形より、やはり無駄な抵抗をするカトルのほうが遊んでいて面白いらしい。少々、屈折している。
「何が見たいんだ?」
「一番の目的は決まってる!」
 カトルに腕を引かれてトロワは、とある家具のショールームに入った
 ショールームの広さに騙されて、置かれてある家具が並サイズに見えるが、実際これらを部屋の中に入れれば……。どれもこれもこの店オリジナルの、特大サイズの物ばかり扱っている店舗だった。宣伝文句までが『気持ちをゆったり、家具でゆったり』なのだから。
 二人であれがカッコイイ、これがステキなどと他愛も無い会話をしながら、一通りの家具を見て回るとカトルはにっこり笑ってトロワを見た。
「トロワ、トロワ、あのね、欲しいベッドが在った!」
「どこだ?」
「うん。二つ候補があって。一緒に見てくれる?」
 なんて、ちょこんと小首を傾げて微笑まれれば、惚れた弱みでトロワも人にわからぬ微笑を浮かべるしかできない。骨抜きにメロメロなのに、どうして外見だけどこまで行ってもストイックなのだろう。手を曳かれて「こっち」などと誘われては地獄の底まででも付いて行くだろう。こんなキュートな悪魔なら、魂を取られても笑顔で本望だと言える。莫迦男だ。トロワはカトルバカが服を着ているだけの男に過ぎない。ここまで来れば一途で男前かも。
「あのねこっちのベッドと」
 小走りに駆けて行く。
「こっちのベッドー」
 休息を取るように後者のベッドの端に腰掛けると、カトルはトロワに向けて最高に愛らしい、はにかみ混じりの笑顔を送った。
「カ、カトル」
「うん」
 にっこりだ。これぞ万人を虜にした無垢な天使の微笑みだ。
「それが欲しいのか?」
「うん」
 こくんと肯く。
 カトルが比べているものは、クィーンサイズのベッドとキングサイズのベッド(どちらも天蓋付き)だった。
 家に入らない。絶対に無理だ。
 玄関の出入り口は勿論だが、開放的な窓のあるベランダからでさえ室内に入れることさえ出来ないだろう。それが容易に想像できるスケールのベッドたちだった。子供がガンプラを欲しがるのは可愛いものだが、ガンダム一分の一スケールを欲しがるブルジョワも可愛いのだろうか。
「そうか」
 と、一瞬でも理解を示しているトロワはカトルに溺れている。カトルが可愛くてしかたないのであろう。ベランダ側の外壁を壊してでもぶち込めばいいかと考えてはいないか。冷静になってカトルに無理だと言って欲しいところだ。 
「だが、カトル」
 そうだ。言え、トロワ!
「部屋が狭くなるぞ」
 問題とするところが違う。
「そおう?」
 どちらのベッドに決まったにせよ、それだけでイッパイいっぱいだ。カトルの部屋のドアを開けようとすると、室内に押すタイプのドアになっているから半開きにしかならず、カトルはくぐるようにトロワはドアに張り付き息を止めて横歩きで室内に入ると、一面ベッドだ。カトルの部屋はベッド以外、必要ないのであろうか。
 カトルのいる方へ近付いて、トロワは商品説明のポップに手を遣った.
「カトル、やはり無理だ」
 キランとトロワがついに口にした。
「どうしてー」
 またカトルはガンプラを強請るような可愛らしい表情をしてトロワを見る。
「サイズ表示があるんだが、天蓋が天井を突き抜けるようだ」
「え、そうなの?」
「入れるだけなら何とかなるかと思ったんだが、サイズを見ると天井が邪魔なんだ。天蓋の一部が天井に突き刺さっている程度ならいいんだが、突き抜けていては上の階の住人に迷惑がかかる」
「そんなのちっとも考えてなかった。気がつかなかったようトロワ!」
「そうか、俺も今気が付いたばかりだ。気にするな、カトル」
 ハハハハハ。
 上手くいってしまっている。上層階の人間に消えてもらう(引越し要請する)手もあるが庶民のすることではないので今の二人には却下だ。ウィナー家ならばこんな計算も要らない生活をおくってきた。敷地は当然のことながら個室も広大であるし、屋敷は空調費の心配で一般人なら怯えるほどに天井が高かった。トロワは金と権力にも頼らず被害者も出さずに、見事にカトルを傷つけることなく、ことを丸く治めてしまった。恐るべし愛に生きる男トロワ・バートン四十六歳(仮)
「ステキなベッドだったね」
「ああ」
「ちゃんとカードも用意してきたんだけど、諦めるよ」
「今の家の身の丈に合った家具をゆっくりでも揃えていこうカトル」
「うん。そうだね、トロワ」
 カトルのカードならば、余裕でショールームごとお買い上げ可能だ。
 
 
 結局カトルの名残惜しそうな姿に打たれて、トロワは――言葉は悪いが――無意味にバカデカイ特大クッションを素材違いでいろいろ購入してしまった。プレゼントだというとカトルが「うれしい! うれしい!」と、子供のようにはしゃぐので、お支払いの恐ろしさも忘れトロワは満足だった。
 カトルにとって、これが記念の品になった。二人で暮らし始めてから初めてのトロワが選んでくれたプレゼント。
 
 
 ベッドに腰掛けるカトルを見てトロワは思っていた、今日はパジャマを買おうと。そこに佇むマイエンジェルはベッドの妖精のようで、宣伝ポスターを見るが如く愛くるしかったのだった。  
 
 
 
 こうして、ひと揃えの物を買いマンションへと戻った。「重腕屋!」のヘビーアームズパイロットのトロワも力は強いが嵩張りには勝てずに、カトルと幾度か車と家を往復することになったが、カトルは借り物競争に興じているように楽しげだった。トロワはそんなカトルを見るのが幸せであった。
 
 
 
 
 
* * * * *
 
 
 
 
 
 明日は、もう仕事だ。車で迎えに来るからそれに乗ってエアポートまで。本当は最速の移動手段であるヘリコプターも使えるようにと、最上階にヘリポートがある超高層高級高額マンションに入居することを勧められていた。しかしカトルはトロワと慎ましく生活したかった。まあ、カトルなリの慎ましくなので一般レベルのものさしとはまるで尺が合わないのであるが。これでもカトル的には神田川気分だったのだ。心の中では、洗い髪も冷たくなるし石鹸がカタカタ鳴っているのだ。だって未知の世界2LDKだもの! お互いの部屋ひとつずつと二人共有のスペース。パーティーをしたくてもダンススペースはないし、せめて立食パーティーをしようと考えてもマグアナックたち四十人さえ招けない。小さな小さな二人の愛の小箱……。――もちろん何もかも標準値を満たしているのであるが、カトルからすればこうなるらしい――それでも、Gパイロット五人で集まるくらいなら何の支障も無い。落ち着いたら、ヒイロとデュオと五飛を呼んで引っ越し祝いがしたいのだ。忙しい者たちばかりだけれど、願いは叶うだろうか。せせこましい、否、ささやかなホームパーティーがしたい。
 まあ、その前に問題なのはカトル自身の仕事の多忙さである。トロワの忙しさも並以上だが、引越しという名目でカトルは一日休みを貰ったが、これもなかなか大変な調整を要した。スケジュール管理が徹底しているのか下手なのか知らないが、カトルは常に分単位で仕事に追われている。これからは毎日トロワとディナーが摂れるような時間には家に帰りたいから、キリキリ絞り込んでもらわねばとカトルは考えていた。
 
 
 
 それにしても、少し考えたのは二人揃って家に帰り着いたときである。挨拶はどうするのだろう。挨拶というところの例の習慣化させようとトロワがもくろむアレである。
 などと考える必要は無かった。なんてことは無い、悩むよりも先に「ただいまー」と言って玄関をくぐっていたカトルの肩を抱くと、
「疲れたかカトル」
 と、トロワは返し、バランスを崩して自分のほうへとよろけてきたカトルの頬に軽く口づけたのだった。
「だ、大丈夫」
 お返しにキスをしたのは、トロワの片袖を引いて屈んで貰った先にあった、左の顎のシャープな骨のライン。
「ここ好き」
「そうか」
 思わず形を検めるようにトロワは左手でキスされた場所を撫でる。
「一週間後は休みをとるから」
「会食じゃなかったのか」
「その日の晩はね、ボク、体調不良になるから」
「仮病は遣ってもいいのか」
「もう。だったら主人は情緒不安定ですって言ってもらう。折角、新婚さんになったのに、トロワとちゃんと逢えないと本当にそうなってしまうよ」
 トロワは正直驚いた。自分たちは、『新婚さん』だったらしい。
 カトルのことだから単なる同居と考えているものとばかり思い、時折頭を過ぎる同棲という言葉を打ち消し続けてきたトロワだ。俄然ファイトが湧いてきた。だが、カトルに同棲という観念があるかどうかはわからない。なぜならば、カトルだからだ。
「休息をとって、リフレッシュして、ちゃんと仕事に励むっていうのは、わりと正しいビジネスマンの姿だと思うんだけど。ボクもちゃんとそうしていけるようにするから。……ボクたち仕事に追われて、まるで、コロニー建設ラッシュ時の技術屋さんたちみたいだよね。この若さで過労死はイヤだよ」
 少し眉を寄せて笑う。
「徐々にでも二人での時間を増やしていければいいと考えているんだが」
「うん」
 無駄に巨大なクッションだらけになったため主張の薄くなったソファに並んで座っていた。ソファに乗らなかったものたちが床にもはびこっている。
 身を寄せると手と手を重ねる。カトルの白い手はトロワの大きな手の中に、すっぽり包み込まれてしまう。そこから心音が伝わりそうだ。
「大丈夫。これから、ずっと一緒に居られるよ」
「ああ、二人で歩んで往こう」
「トロワの、キミの綺麗で優しい心に感化されて、ボクも優しくなって行けたらと思ってるんだ」
「優しいのはお前のほうだろ。……カトル、優しいとはお前のような奴を言うんだ。俺はいつもカトルを見ていると、その健気な優しさに心打たれる。カトルのように万人にはそうは出来ないだろうから、せめて優しいカトルの安らげる場所でありたいんだ」
「……ボクは優しくなんて無いよ。でもね、ありがとう。トロワ、大好き」
「カトル、愛している」
 視線を合わせれば瞳を静かに閉じて、自然と口唇を求め合い口づけていた。
 羽根が触れるように微かな優しいキス。
 片手は繋いだまま残る腕をトロワの肩にを掛けると、カトルは全身で息を吐いた。
 ――――どうしてボクたちは今、口づけたのだろう。
「これは、何のキス?」
 吐息混じりにカトルは知らずに呟いていた。
「これは、誓いの口づけだ」
 囁き。
 カトルの背を抱くように躰に回された逞しくしなやかな腕が、そっと、その華奢な体躯を抱き寄せた。
 
 
 
準備は整った。後は勇気を持つだけだ。
 
 
 
 
 
* * * * *
 
 
 
 
 
 時が来るのを待っていた。
 カトルと暮らして幾月?
 キスすることについてさえ未だカトルが大照れなことは実はトロワは理解していた。
 顔は赤いし、眼は潤むし、口唇は震えているし……。いつも眼に見えて恥らっている。躊躇していつまでたってもカトルのやわらかな感触がやってこないと思っていたら、ガツーンとかドカーンといった具合で勢いに任せて、ぶつかってくることもしばしば……。それでもトロワは羞恥から来る行為なら、カトルになら齧られたって幸せだと感じるだろう。きっと、歯形さえ愛しい……。        
 照れている証拠なのだが、面白いこともおきる。毎夜カトルの部屋から変な音が聞こえてきていた。バンバンガンガン壁を叩きまわす音。今日も元気に余韻に浸って照れているなと思いトロワは聴いていたものだ。
 広いベッドを欲しがったのを見てわかる通り、カトルはシングルベッドの良さを知らない。確かに狭いが、そこがいいのである。離れれば直ぐに落ちてしまうから、ひっついて眠るしか道は無い。愛し合う二人がきゅうきゅうになって眠る場所。トロワは、しなやかな筋肉を持つから、腕枕だって朝までしていたって腕が痺れることはない。セミダブルの発注が誤って届いたのだが、気がついて直ぐにトロワは最高だと思った。まあ今は只たんに狭いだけなのであるが……。いつか良かったと思えると信じたい。 
 
 
 
 
 
* * * * *
 
 
 
 
 
 おやすみのキスをして、カトルがいつものごとく頬をほんのり染めていると、トロワが細いつくりの躰を抱き締めてきた。
 ようやく3日間という長い休みが重なったのだ。カトルと時間を気にすることなく一緒に居られる喜びは、トロワに珍しい行動を取らせた。子供のように、そうすることでしか喜びを表現できなかったのだ。
 驚いたのはカトルだった。
「どうしたの、トロワ? 寒いの?」
 ソファからはみ出している、背景と化している、いくつものクッションを首を捻ってチラチラと見た。いくら大きくても彼を温めて上げられるブランケットにはならない。
 問いかけたがトロワからは何の返事も無く、ただ、腕の力が強められた。抱き潰される格好になったカトルは思わず悲鳴を上げた。
「んん。いひゃい」
 もぞもぞとトロワの腕の中でカトルは身じろぐ。
 少し力が緩められ、カトルの声に答えたのかトロワの声がした。
「トロワぁ?」
 しかし、篭もったトロワの呟きはカトルの耳には届かずに、余計にカトルを困惑させた。
「どうしたの? 寂しいの?」
「……俺はカトルを傷つけてしまう」
 抑えつけていた、みなぎる熱が溢れ出したのだ。
「トロワは優しいからそんなことしないよ」
 そんなこととは露とも知らず、カトルは微笑さえ浮かべる。
「違う。違うんだカトル」
 声は苦しげで。
「痛いの? トロワ、どうしちゃったの? ボクに教えて。何でもするよ」
 カトルの笑顔を守りたい、いつまでも無垢なまま綺麗な身でいて欲しい。それなのに天使を辱めるような行為に及びそうな衝動。相反した想いにトロワは煩悶している。今にもタガが外れそうな葛藤も知らず、可愛い仕種でカトルは悩める彼を誘う。
「カトル」
「うん」
「俺が怖くないのか?」
「怖くなんて……どうして?」
 ほら、こんな綺麗に。
「……カトル、愛している」
「ト、トロワ?」
 ストレートな言葉にカトルは高潮する。何度言われても躰の裡から震える言葉だ。掴まれたようにぎゅっと胸から喉元指先が痛んだ。
 トロワの抱擁する力が無意識で強くなって行く。いつもとは違うトロワの行動にカトルは不安になった。
「くるし、ぃ……よぉ。トロワぁ。
 顔見せて、トロワ」
 およそ独占欲などとは、縁遠いと思われていたトロワが。
「カトルを俺だけのものにしたい」
 ……不思議なことを言うと思った。今、聞いた言葉がカトルには理解できなかった。窮屈なことも忘れカトルは、トロワの言葉を噛み砕くように、ゆっくりと咀嚼していた。
「――もう待てない」
 口にしてトロワは気づく。自分は抑制していたのだと。
 立っている姿勢が辛くなったのか、トロワはそのままクッションにまみれているソファに倒れ込むようにカトルを押し倒した。
「ぅわっ!」
 逃げられなくなったカトルの顎をすくうと、清らかな口唇にトロワの口唇がふわりと触れた。しばし訪れる静寂のとき。触れるだけの、厳かな口づけ。
 離れると、呆然といった表情で見つめるカトルにトロワは言った。
「もう誰のことも口にさえさせない。カトルを俺だけのものにしたいんだ」
 キス。
 それは、今までで最も熱いもので、情熱は触れるだけのキスでは収まりきれなくなっていた。薄く開いていた口唇の間からカトルの裡に侵入するトロワの舌。
「ん!」
 エスカレートする行為。それは、いつしかカトルの口唇を犯すものになっていく。深い口づけにカトルは戸惑いを見せた。
 口腔に溜まった滴を飲みこぬこともできぬから、それはそのままカトルのふっくらとした頬と顎を伝う。
「ぅんん」 
 湧き上がり、大きな碧の瞳から涙が零れ落ちた。
 それに気付いたトロワは、はっとして、カトルの両腕を掴むと、自分からカトルの躰を遠ざけるように身を引いた。
カトルの泪を見て、トロワの最後の理性が甦る。
「……やはり傷つけてしまうんだな」
 痛々しいとも取れる、ため息の中の独り語だった。
「違うよ、トロワ! ボクは、うれしくて。……ボクもトロワが好き。大好き。
 ――――ボクは、はじめから全部、キミだけのモノだよ」
「……カトル」
「トロワ」
 涙に濡れた高い声。声に甘えが見て取れる。
 愛しくて、ただ、愛しくて。
 トロワは強くカトルを抱き、カトルは近付いたトロワの口唇に、そっとキスをした。
「ちゃんと、キスを教えて」
 カトルはトロワに向けて、泪に濡れた微笑の中で言った。
「トロワだけなんだから、ボクの先生になれるのは」
 ――――眼を閉じて。
 と、口には出さずに、そっとカトルの瞼にトロワは掌を被せた。カトルは大人しくそれに従う。
 瞳を閉じたカトルの目尻にキスをしてトロワは泪を舐めとる。
「あ、トロ……」
 言葉は最後まで続けられず、口唇を封じられた。
 舌足らずの発音の要因かもしれない舌自体。カトルの秘密を探るようにトロワはたっぷりと時間を掛け、カトルとの口づけを味わうのだった。
 
 
 
 
 カトルにもキスの意味が味がわかった。
 響く愛のうた。
 それは熱に溶かされて、情愛が甘く蕩ける深い深い蜜の味がした。




 
FIN
 








おわりでーす!
ここまで読んでくださったあなたさま、ありがとうございますた!!
おつかれさまでしたー♪

これが、「おちゃれけ」をとおりこして、おちょくっているになってしまった、文書の全文でした。


読み返していないので、ちゃんと言えないのですが(よ!無責任軍曹ッ★)最後をちょろりとみると、甘そうなので、まぁ、おこんなよぉ、HAHA!と思う、むゆきです。

1から3の間も拍手くださった、あなたさま、ありがとうございましたv
こんな内容でしたが、よかったのでしょうか?;;
少しでも楽しんでいただけていたらよいのですが。
不安です;;

ご意見ご感想が面倒なかたも、内容がおいやじゃなければ拍手でもポチッとしてやってくださいませvv
すっごい、よろこびますv


さてさて、次はなにを載せましょか?

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HN:
たみらむゆき軍曹&碧軍曹
性別:
非公開
職業:
カトル受専門の夢想家(野望)
趣味:
カトルいじり・カトル受妄想
自己紹介:
むゆきと碧
2人のカトル受限定軍曹が
同志を募って
集って憩ってしまう場を
つくろうと
もくろんだしだいであります。

小説や絵を
UPするのであります。
日記は書く気なし!
(そして、
まともなプロフィールを
語る気もなし。。笑)
軍曹はカトル・ダーリンズ
だいちゅきトークが
したいだけでありますから!

「我軍曹ッ!」
の名乗り随時募集中v
いつか、軍曹の集いを
したいものでありまっす★

しかして、
「なぜ軍曹?;」と、
大半の方に思われてるだろう。。

カトル受最前線で戦い続けるため
出世しすぎて
外野にはいかないからの
万年軍曹であります!

ちなみに最近急に
自分のことを、
「4受大臣」とも名乗るように。
「4受大臣補佐官」など(笑)
こ、これは進化なのか!?(笑)

我が魂、
カトル受とともにあり★(ビシッ!)
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