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摩訶不思議なひつじワールドへの誘い~4
~ STRAW (ストロー)

デュオ×カトル

 
デュオさんとひつじカトルのお話でーす。
今回はひつじっ子の奇行エピソードと
デュオさんの愛をお送りします。

本文を読むをクリックしてどうぞ、お読みくださいv


摩訶不思議なひつじワールドへの誘い~4
~ STRAW (ストロー)
 

 
 人の家に上がり込んでいたのが、言語を絶するカワイコちゃんであったせいで、危うく大切な事に眼を瞑りそうになったデュオであった。
 だが、一応どんなけ可愛くても聞くことは聞かなければ、という意気込みでリビングにカトルを連れて行ったのだ。
 連れて行ったといっても、寝室の扉を開けばダイニングとリビングを兼ねたその部屋だったのだが……。
 
 
 ペタペタと偏平足? と、思ってしまうカワイイ音を立てて、カトルはデュオの後をついてきていた。
 落ち着きなくキョロキョロしているカトルの目の前に、デュオはミルクを差し出した。
 瞬きしながらカトルは、コップとデュオの顔を交互に見つめた。
 好奇心に満ちた瞳をしている。
 手袋をしているような両手でコップを包み込むと、カトルは少し表面を波立たせるように揺らした。
 溢さないだろうか、ヒヤヒヤするデュオの視線をものともせずに、
「……白い、ですね」
 と、静かな声でカトルは呟く。
 顔を近づけると、くんくんと匂いを嗅いだ。
「ただのミルクだけど……。勝手にミルクにしちまったけど、よかったよな? なんかコーヒーとかって似合わないもんだからさぁ。やっぱり、アレ? コーヒーなんかを飲むときは、ミルクだぼだぼに入れて、シロップ死ぬほど入れて、どっちがメインだかわかんないようなのを飲むわけ?」
 デュオの話を聞いているのかいないのか。
「いただきます」
 不器用そうに支えたコップを傾けると、顔を突っ込むようにして、カトルはペロリと舌を出しミルクをひと舐めした。
「おおっ!」
 なぜか妙な感嘆の声を出したデュオは、手にしていたコーヒーカップを危うく溢しそうになった。
 カトルは口許をむぐむぐと動かしながら瞳を泳がしている。味をみているのだろう。
 舌を湿らせる程度の量では味がよくわからなくて、考えるようにカトルは眉を寄せた後、ペロペロと犬猫がするようにミルクの表面を舐めだした。
 エライものを見てしまった気になって、デュオは一瞬、呆気に取られてしまった。
 下品な気はしない。仕種が可愛いから……。では、理由にならないだろうか。
 でも、傾けているコップを今にも倒してしまいそうで、デュオは慌ててカトルを制した。
「ストップ! カトル、ちょ、ちょっと待て! ……不思議そうな顔すんなよ。可愛いじゃねぇかぁ……って、そうじゃなくって、ちょっと待ってな」
 コップを握ったままカトルは、上目遣いに見つめてくる。
 そんなカトルに唇の端を上げて、デュオはにっこりと微笑む。
 悪いようにはしないからと、無言で説明を入れたのだった。
 
 
 立ち上がるとキッチンに向かい、なにやらガタガタやっていたデュオが戻ってきた。
「ほら、このほうが飲みやすいだろ」
 渡された細い筒を、カトルは眼の高さでまじまじと見つめている。
 コレはナニぃ? と、表情が物語っていた。
 デュオは、はっきりと言って、カトルを一目見たその瞬間からメロメロになってしまったのだろう。困惑するものの、疑問と苛立ちのモワモワより、胸は踊るようにズキズキして、
(こりゃまた、カワイイぜぇーッ、チクショーッ!)
 という叫びばかりをこの短い時間のうちに頭の中で、かれこれ数十回ほど発してしまっていた。
(正気かオレは?)
 数度に一度、辛うじて理性の縁にぶら下がっていた自分が問いかけてくる。
 女好きかもしれないが、格別な子供好きでも動物好きでもない。面倒は嫌いなので、お稚児趣味も持ち合わせていない。そんなものはこちらから願い下げだ。手間の掛からないイイ女が絶対に良いに決まっている。
 自分という人間はそういう奴だったはずだが。
 それでもカトルを見ていると、スコーンと何か嵌まってしまったような……。
「貸してみな、こうして。ここを咥えて、吸う。それだけ。わかるか?」
「はい」
 容姿通りの素直な答えが返る。
「危ないから手はコップに添えるだけ。ナナメにしない」
「はい」
 はぁ~っと、小さく口を開ける。
 見ているデュオは、つられて大口を開けてしまっているのが笑えるのだが。
 唇を窄めて。
 チュッと音がなった気がした。
 誰がやってもそう変わるはずがないのかもしれないが、カトルが立てた音は、飛び切り可愛い気がするから始末が悪い。
 ストローの先っちょを咥えて、カトルはゆっくりと液体を吸い上げると、んぐっ、と喉を鳴らした。
「どうだ?」
 また、ちゅーっと吸い込んだと思ったら、あぐあぐ、カトルはストローを深く咥え込みだした。
「おい、カトル。ど、どうしたぁ!」
 うべぇーっ。
「……い、いたいです。これが舌にあたってしまって」
「咥えすぎだろぉ。喉の奥までやっちまってるんじゃないのか?」
「違います。そうじゃなくって。舌の上ですよ。……デュオの言うとおりにすると棒が舌をさすんです。ひっかくみたいに」
「……って、おい……ストローってそんな危険なものなのかぁ……」
 未だかつて聞いたことのない使用感に、デュオは眼を丸くする。
 カトルは見てくださいとばかりに、んべーっと舌を出した。
 赤い舌を見せつけられると、舐めれば痛みも飛んでいっちまうぜーっなんて、邪まな気持ちになってしまうから、いけない。
 心なし涙目で訴えている子に、それはちょっと悪戯がすぎるとデュオは自分を叱責した。
 代わりにカトルよりひと回り大きな手で、カトルの髪を優しく乱す。
「大丈夫だよ。すぐに痛いのはなくなっちまうって。カトルはストローも使ったことないのか?」
「ありません。ミルクを飲んだのも子供の頃以来です。大人になるとなにも必要じゃないので。……あっ、きっと人間くらいのものですよね、いつまでもミルクを摂取するのは。フシギな生き物ですよねぇ」
「……おいおい……」
 初めての長ゼリフに織り込まれた、不可解なポイントはてんこ盛りだ。
 人間を「生き物」と言うのもなんとなく妙なのだが、「摂取」という単語もカトルには不似合いで、おかしい。
 しかし、なんといっても、カトル本人は自分のことを「オトナ」だと思っているらしいことに驚いた。
 どこから質問しようかと考えて、デュオは当たり障りのないことから聞いていくことにした。
 が、
「なに、カトルってオトナなの?」
 口をついた言葉はストレートすぎた。
 カトルは気を害したふうもなく、大きく頷くと、意気揚々と胸を張るように答えた。
「立派な大人です!」
 
 デュオが聞き出したところによると、カトルはデュオと同じ歳になるそうだ。それを聞いたときのデュオの反応は、コテコテのコントみたいなリアクションだった。同時に、恋愛としての年齢的な問題はまるでないと知って、デュオはガッツポーズを作った。
 妙にはしゃいでいるデュオを見て、カトルはよくわからないまま、つられて嬉しそうに笑っていた。
「デュオのところにだって……」
「オレと、“寝る”ために来たって言うんだろ?」
「はいっ!」
 明るい口調がデュオには少し苦くて言葉をのんだ。
 にこりと微笑むカトルは、綻びる瞬間の花のよう。目の当たりにして、その尊さから視線を逸らせるはずがない。
 こんな純粋そうな子が、人の夜の相手をしているのだろうか。と、デュオは思ったのだ。
 そうデュオが勘違いするのは無理もない。添い寝のために来る奴なんて、普通考えつかないから。当然のように、そっち方面に自然と連想されてしまったのだ。
 屈託のない笑顔は、なにも知らないからこそだとしか見えなくて。
「カトル、今回が初めてなのか?」
 せめてそうあって欲しいと願いながら、内心の苛立ちを隠すように、押し殺した声でデュオは訊ねた。
「いいえ」
「えっ! なんて……」
「……いいえ、と言いました」
 キョトンとした瞳でそんなことを言った。
 カトルはにっこりと笑い、驚きで固まったデュオを見た。
「安心してください。不安にならないで。僕は優秀だとトレーズ様にいつも褒められていますから。デュオもきっと、気持ちよく眠れるように頑張りますから。ねぇ?」
 無邪気なぶんだけデュオは苦々しく思った。込み上げる嫌悪感にも似た怒り。
 今出てきた人名。そいつがカトルにそんなことをさせているのだろうか。
 しかし、どうして自分のところにカトルが来たのか。
 賄賂代わりに、そういうことを斡旋されるようなヤバイ仕事には最近は首を突っ込んでいない。名前にも全く覚えはなかった。
 切り札になる名前は、軽々しくは口にしないはずだが。ポロリと出たのだとしたら、教育が行き届いていない証拠だ。小物がやらかしていることなのか。
 そう考えると〈カトル〉みたいな綺麗で素人臭い素材は極上すぎて不釣合いだ。
「……あの、デュオ。僕じゃ……不満ですか?」
 難しい顔をしたデュオが、怒っているようにカトルの眼には映った。
「……イヤですか? 僕と一緒に寝るのは」
 沈黙に不安を感じたカトルは、今にも泣きそうな瞳で呟く。
 デュオはズキンと痛む胸に、カトルを抱き寄せた。
「そうじゃないって……。好みとしてはハマりすぎて困っちまうくらいなんだけどさ」
 トクントクンと鳴るデュオの心臓の音が速まっていたから、カトルは心配になった。
 肩を抱かれてピッタリとデュオの胸におさまったままの窮屈な体勢から、むりむりとカトルは顔を上げて、ひたとデュオを見つめた。
 視線を合わせると、小首を傾げて包み込むような優しい微笑を浮かべるカトルは、まるで慈愛に満ちた聖母みたいだとデュオは思った。
「大丈夫ですよ。珍しいから、みんなはじめは少しビックリするんです。すぐに馴染みますから」
「……そりゃあさぁ、カトルみたいに可愛い子が相手だったら逆に驚くけど、喜ばない奴なんていないよなー。拒むってんなら、あ~、そりゃきっと男として不具だわ。……よくわかんない? いいの、いいの、わかんなくってェ。いかにもアバズレーって奴なら、いっそのこと深く考えないんだけど。……カトルだってさ、嫌だろそういうの?」
 なにやら四方八方に散らばるデュオのトークは、カトルには難解で。最後の疑問形になっている部分が、どこにかかっているのかよくわからなかった。
「……ええっとぉ……」
「要するに、知らない奴と寝るのは嫌だろ、って聞いたんだけど」
「ああ、そういうことですか。心配には及びません。今のところ嫌だと感じたことなんてありません。一緒の間とても楽しかったです。それに僕はこのお仕事が大好きなんです。……ここには自分でお願いして来たんですよ」
 先駆者がいると思うと胸がモヤモヤする。カトルが笑っているから尚更だ。
 でもデュオは持ち前のバイタリティーで、それならそれで遠慮はいらない、細かいことは後で考えればいいと、なかば力ずくで発想を転換した。
 逢ってまだ間もない。そのくせ厚かましくも覗きはじめたくすぶりは……嫉妬心。
 抱けば軽減されるのか倍増するのかわからないが、細かな感情は全部押さえつけて、今は手に入れるほうを選びたい。
 もし、罠なら。……ハマってみたい。
「そうだよなー。グダグダ言っててもしょうがねーもんなぁ。……じゃあ、気が変らないうちに……」
 揉み手をするように両手を擦り合わせ、眼を細めて唇の端をクイッと上げた。
「さっそく、お手並み拝見といこうか」
 こうなるとデュオは恐ろしく現金だ。
「まかせてください!」
 体勢はすでにこの場でなだれ込もうとカトルの肩に手をかける。手のコップはさっさと取り上げてしまっていた。
 この服は後ろにファスナーがついているのか? 一気にソレを引き下げようか。それともジリジリ焦らしていこうか。早くもデュオは考え出した。
 カトルはカトルで、躰を後ろに倒そうとするデュオに逆らうでもなく、にこにことしている。
 食い違ったままで、息が合い出した二人。
「今夜は眠らせないぜ」
「こ、困ります!」
 と、思ったら、一瞬で崩れてしまったが。
「いまさらだろぉ?」
「ぐっすり眠ってもらわないと」
「疲れて、ってやつ?」
「とんでもない、心地好くですよぉ。僕の専売特許ですから、デュオはカウントしなくて結構です。ゆっくり休んでくださいね」
「はい~っ?」
 動きを止めて素っ頓狂な声を上げたデュオに、カトルは優しく笑いかけた。
 
 
 カトルの正体を知ったデュオは、カトルが見た目通りにまっさらな綺麗な躰だと知って、小躍りしたいほどの嬉しさを感じた。が、腐りそうなほどガッカリしたのも事実だった。
 罠か毒か。……そんな毒なら飲んでみたいとデュオは思っていたから……。
 そして、この日から、とびきりの可愛い添い寝付きのデュオの生活が始まった。
 
 これってチョコみたいに甘くて、キツすぎる拷問みたいだと、デュオは思っていた。










 


おつかれさまでしたー!
ひつじでした。
ひつじはまだまだ続きます。

思いますに、なんか、デュオさんほど勘違いが似合う男はいないと(笑)
カトルさま(上品なぶるじょわ)とでゅお(品のない超庶民)の格差が大好きです!
ホンットカトルに馴れ馴れしい庶民デュオが大好きだーーーー!!
二人の2ショットを見てると萌え萌えします❤

ひつじのんきなひつじカトルとおっさんな中身のデュオさんの差がよく出ている作品だと思います。
同じツボをお持ちのかた、至急むゆきまでご一報くださいな!
お友だちになりましょう❤きゅぴーん★

ではでは、また、ひつじっ子のお話でもお会いいたしましょう。
目を通していただきまして、ありがとうございましたぁ❤

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たみらむゆき軍曹&碧軍曹
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カトル受専門の夢想家(野望)
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カトルいじり・カトル受妄想
自己紹介:
むゆきと碧
2人のカトル受限定軍曹が
同志を募って
集って憩ってしまう場を
つくろうと
もくろんだしだいであります。

小説や絵を
UPするのであります。
日記は書く気なし!
(そして、
まともなプロフィールを
語る気もなし。。笑)
軍曹はカトル・ダーリンズ
だいちゅきトークが
したいだけでありますから!

「我軍曹ッ!」
の名乗り随時募集中v
いつか、軍曹の集いを
したいものでありまっす★

しかして、
「なぜ軍曹?;」と、
大半の方に思われてるだろう。。

カトル受最前線で戦い続けるため
出世しすぎて
外野にはいかないからの
万年軍曹であります!

ちなみに最近急に
自分のことを、
「4受大臣」とも名乗るように。
「4受大臣補佐官」など(笑)
こ、これは進化なのか!?(笑)

我が魂、
カトル受とともにあり★(ビシッ!)
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