~来タレ我軍曹!×4受限定軍曹&4受大臣憩いの場★~
『ハッピーシープ 4』
デュオ×カトル
「ハッピーシープ4」って、どの順番で読んだらそうなるんだ!
って、ツッコミが入りそうですが、(笑)
本にしたときに他のタイトルがなかったんですね、これ。
イメージは「ひつじの夢」ということだったんです。
イメージは「ひつじの夢」ということだったんです。
カテゴリーの「ひつじⅠ」「ひつじⅡ」を読めば
意味はわかると思います。
本当は間に「ヤギ」の1,2とかが入りますが。
ひつじカトルがデュオの留守中に
なにをしているのかが少しわかったり。
朝のデュオとカトルの様子がわかったりするお話です。
本当に本当に短くて、なんですが、
少しでも楽しんで戴けるかたがいてくださると嬉しいです。
よろしければ、拍手やコメントお待ちしております。
それでは本文を読むからどうぞーv
『ハッピーシープ 4』
冬の寒い日に、見ているだけで体感温度が上昇するようなモノがいる。ふわふわ、毛糸のかたまりのようでいて、ぬくぬくとした空気を自動生産。仄かに甘い雰囲気を載せてひたすらまどろんでいる。本当は爆睡している。
これはデュオさんの大のお気に入り、愛情注いで限りがない者。カウントシープのカトルである。
プラチナゴールドの髪の色は光の集合体のようだが、抱かせる色彩はパステルカラーなものだった。
一日の三分の二から四分の三を、本気で眠ったり、うたた寝して過ごすカトルであるから、起きている間のことは、短い短い時間でデュオがいないとあまり多くを語るようなことはない。
――――というわけで、カトルの起きている間の、小さな出来事を、少し――――
カトルのお目覚めはデュオの目覚まし時計と同時。一番小さな音に絞ったジリジリ鳴る音でカトルは飛び上がるように目を覚ますのだ。
カトルはひたすら大きな音が苦手だった。それはそう例えば、大きいだけじゃなく、突然の音などもカトルにとってははなはだ好まざるものだった。
毎日目覚まし時計の動きは同じでも、生き物であるカトルの反応は時折折だ。
急に鳴りだす音に飛び起きて、そのまま布団にもぐり込んでデュオを揺さぶり起こしたり。鳴っている目覚ましに枕を被せて自分も覆い被さって、
「でゅううぅぅ~~~ぅおおおおおーーーー!!」
と、何度も助け舟を呼んだり。
カトルは毎朝寿命が縮む思いをしているが、一緒に寝ているデュオも毎朝ハードには違いない。
それでも、カトルと一緒にベッドに入ることを、止めてしまうことなどデュオは考えたことなどなかった。
カトルが来てからというもの、寝過ごすということがまるでなくなった。寝過ごせなくなったというのが正しいのかもしれないが。だとしたらカトルは、ものすごく希少なシープということになる。
眠りにいざなうカウントシープ。
目覚めをもたらす謎のひつじっ子。
そんなシープは過去にいたのであろうか? 後者はカトルの後見人のトレーズ様でも、文献をもっていらっしゃらないかもしれないだろう。
日々、にぎやかで楽しそうなそんな様子を、水鏡からご覧になっているトレーズ様は、実に愉快そうで。なんとなくこれではデュオとカトルが、生きた研究対象のようなものであるような気もしないが。ここに居たカトルを水鏡越しに見ているトレーズの瞳は、膝の重みを思い出すよう、視線を水鏡から自分の膝へと移す。少し寂しげなようにも見えた。
『そちらは毎日、賑やかなようだね、カトル』
トレーズが一人こぼした言葉はそのまま、訂正のしようのないものだった。
悲鳴のような声と物理的な攻撃で叩き起こされて、デュオは目を覚ました。
半分目は閉じたまま。片手で目覚まし時計を止めて、もう片方の手で自分の体の下に入り込もうとしているような、稀有な動きを見せているカトルの頭を――背を浮かせるようにして――探り、頭を見つけて、かいぐりかいぐり、かきまぜるように撫でる。
「カトル、朝から元気だな。おはよう」
「おはよーございます、デュオ」
頭を撫でているデュオの手を両手で握ると、自分の心臓の辺りにそっと置き、速くなっている鼓動で、自分のドキドキをダイレクトに伝える。
「毎朝、心臓に悪い思いをしています」
探らせるように胸元をさすらせるカトルに他意はないが、デュオからすると朝から刺激が強すぎる。
ギョッという目で、はっきりとしたコバルトブルーの瞳を見開く。ごろりと勢いよく体勢を変えて、デュオはカトルに馬乗りになると、――長いデュオの髪も大きく動く――大きな両手で柔らかな頬を包み込み、薄桃色のマシュマロみたいなそこに優しくそっとキスをした。
「……ホント、心臓に悪い」
「……心臓に、悪い、です」
そんなカトルのおっとりとした呟きのなか、こうしてデュオは目覚めるのであった。
二時間弱。それが大体デュオの出勤までの朝の時間だ。当然カトルのはっきりと目を覚ましている時間もそれ。
家事の手伝いに不向きなカトルは主に、テーブルのから拭きばかりをしている。あとはデュオにまといついている。
三十分もあれば起床して出勤していたデュオは、カトルが来てから、大幅に朝の時間に余裕を持つようになった。
カトルが手伝いをしているのか、邪魔をしているのかわからない状況の中、デュオ自身も、わけがわからないままで出勤していく。
楽しそうなカトルにほだされて、他人から見れば滅茶苦茶なことになっているデュオさんなのである。
他人の失笑を買おうとも、
『後悔はねえよ』
と、口角の片端を上げて、にやりと笑う。実にデュオらしい誇らしげな表情だった。カトルという存在そのものが、デュオに胸を張らせた。
さて、デュオが出かけるとまずカトルは仮眠をとる。
どのくらいかは伏せておくが、数時間単位であることは、こっそりとここに記しておく。
適当な時間で目を覚ますと、カトルは軽く運動(ラジオ体操のようなもの)をして、家事をする。
とは言っても先に述べたように、家事に全く不向きなカトルであるから本当に仕事は限られてしまう。
楽しそうでいいかなと思って、デュオはカトルに掃除機をかけてみることを勧めてみたことがあったが、大騒ぎの一つの語り草になってしまっただけだ。
今となっては静音が常識の掃除機界にあって、デュオの家のそれは260Wで轟音をまき散らす時代錯誤なものだった。今では骨董と言われる代物だ。デュオがそいつを使用するときは、カトルは別の部屋に逃げ込んでいた。
ブイイイィィィィーーーーーーーーンンンンッッ。
の間は、カトルは別室から出てこない。
「カトル、掃除機かけっぞ」
と言うと、
「はいッ! ひゃひゃひゃひゃひゃあ~~~」
と、ふにゃふにゃ小走りで逃げてゆく。
大慌てで非難するカトルにデュオは苦笑していた。
リビングに掃除機をかけているときに、デュオは悪ふざけで、スイッチをオンにしたまま、カトルの避難場所にその時なっていたベッドルームをそっと覗いて見たことがあった。想像通りベッドの中で丸くなってビクビクしていた。
それでもデュオの役にたくさんたちたいカトルである。
あ~あ。どうしたものでしょう。
ね……。
コロコロコロ、ころころころ。
仮眠後のカトルは取り出したお掃除器具を絨毯にコロコロ転がしていた。これはいい、ころころと転がるそこがベタベタとした粘着質なものになっていて、絨毯の細かいゴミやホコリも引っ付けてしまうのだ。粘着質の筒のついた棒はコロコロ、コロコロと微かな音を立てるだけで、カトルを脅かすものではない。
「これは、とても、いいです」
体操のあとはコロコロ。
カトルはデュオに、
「キレイになったじゃないかカトルぅ~!」
と、喜んでもらうため、新しく見つけたお仕事にご執心だ。地道なカトルの働きによりデュオのカーペットやソファーはいつも清潔で心地好い。
カトルはデュオに喜んでもらうため、また新しい仕事を探している。今はコロコロだが、いつか、なにか別のことだって。
いつだってカトルは考えている。
――――デュオが、たくさん、たくさん、喜んでくれますように。
カトルの夢はいくつ叶うのだろう。
■FIN■
初出 2003年1月5日「ハッピーシープ4」
それに加筆訂正をしました。
冬の寒い日に、見ているだけで体感温度が上昇するようなモノがいる。ふわふわ、毛糸のかたまりのようでいて、ぬくぬくとした空気を自動生産。仄かに甘い雰囲気を載せてひたすらまどろんでいる。本当は爆睡している。
これはデュオさんの大のお気に入り、愛情注いで限りがない者。カウントシープのカトルである。
プラチナゴールドの髪の色は光の集合体のようだが、抱かせる色彩はパステルカラーなものだった。
一日の三分の二から四分の三を、本気で眠ったり、うたた寝して過ごすカトルであるから、起きている間のことは、短い短い時間でデュオがいないとあまり多くを語るようなことはない。
――――というわけで、カトルの起きている間の、小さな出来事を、少し――――
カトルのお目覚めはデュオの目覚まし時計と同時。一番小さな音に絞ったジリジリ鳴る音でカトルは飛び上がるように目を覚ますのだ。
カトルはひたすら大きな音が苦手だった。それはそう例えば、大きいだけじゃなく、突然の音などもカトルにとってははなはだ好まざるものだった。
毎日目覚まし時計の動きは同じでも、生き物であるカトルの反応は時折折だ。
急に鳴りだす音に飛び起きて、そのまま布団にもぐり込んでデュオを揺さぶり起こしたり。鳴っている目覚ましに枕を被せて自分も覆い被さって、
「でゅううぅぅ~~~ぅおおおおおーーーー!!」
と、何度も助け舟を呼んだり。
カトルは毎朝寿命が縮む思いをしているが、一緒に寝ているデュオも毎朝ハードには違いない。
それでも、カトルと一緒にベッドに入ることを、止めてしまうことなどデュオは考えたことなどなかった。
カトルが来てからというもの、寝過ごすということがまるでなくなった。寝過ごせなくなったというのが正しいのかもしれないが。だとしたらカトルは、ものすごく希少なシープということになる。
眠りにいざなうカウントシープ。
目覚めをもたらす謎のひつじっ子。
そんなシープは過去にいたのであろうか? 後者はカトルの後見人のトレーズ様でも、文献をもっていらっしゃらないかもしれないだろう。
日々、にぎやかで楽しそうなそんな様子を、水鏡からご覧になっているトレーズ様は、実に愉快そうで。なんとなくこれではデュオとカトルが、生きた研究対象のようなものであるような気もしないが。ここに居たカトルを水鏡越しに見ているトレーズの瞳は、膝の重みを思い出すよう、視線を水鏡から自分の膝へと移す。少し寂しげなようにも見えた。
『そちらは毎日、賑やかなようだね、カトル』
トレーズが一人こぼした言葉はそのまま、訂正のしようのないものだった。
悲鳴のような声と物理的な攻撃で叩き起こされて、デュオは目を覚ました。
半分目は閉じたまま。片手で目覚まし時計を止めて、もう片方の手で自分の体の下に入り込もうとしているような、稀有な動きを見せているカトルの頭を――背を浮かせるようにして――探り、頭を見つけて、かいぐりかいぐり、かきまぜるように撫でる。
「カトル、朝から元気だな。おはよう」
「おはよーございます、デュオ」
頭を撫でているデュオの手を両手で握ると、自分の心臓の辺りにそっと置き、速くなっている鼓動で、自分のドキドキをダイレクトに伝える。
「毎朝、心臓に悪い思いをしています」
探らせるように胸元をさすらせるカトルに他意はないが、デュオからすると朝から刺激が強すぎる。
ギョッという目で、はっきりとしたコバルトブルーの瞳を見開く。ごろりと勢いよく体勢を変えて、デュオはカトルに馬乗りになると、――長いデュオの髪も大きく動く――大きな両手で柔らかな頬を包み込み、薄桃色のマシュマロみたいなそこに優しくそっとキスをした。
「……ホント、心臓に悪い」
「……心臓に、悪い、です」
そんなカトルのおっとりとした呟きのなか、こうしてデュオは目覚めるのであった。
二時間弱。それが大体デュオの出勤までの朝の時間だ。当然カトルのはっきりと目を覚ましている時間もそれ。
家事の手伝いに不向きなカトルは主に、テーブルのから拭きばかりをしている。あとはデュオにまといついている。
三十分もあれば起床して出勤していたデュオは、カトルが来てから、大幅に朝の時間に余裕を持つようになった。
カトルが手伝いをしているのか、邪魔をしているのかわからない状況の中、デュオ自身も、わけがわからないままで出勤していく。
楽しそうなカトルにほだされて、他人から見れば滅茶苦茶なことになっているデュオさんなのである。
他人の失笑を買おうとも、
『後悔はねえよ』
と、口角の片端を上げて、にやりと笑う。実にデュオらしい誇らしげな表情だった。カトルという存在そのものが、デュオに胸を張らせた。
さて、デュオが出かけるとまずカトルは仮眠をとる。
どのくらいかは伏せておくが、数時間単位であることは、こっそりとここに記しておく。
適当な時間で目を覚ますと、カトルは軽く運動(ラジオ体操のようなもの)をして、家事をする。
とは言っても先に述べたように、家事に全く不向きなカトルであるから本当に仕事は限られてしまう。
楽しそうでいいかなと思って、デュオはカトルに掃除機をかけてみることを勧めてみたことがあったが、大騒ぎの一つの語り草になってしまっただけだ。
今となっては静音が常識の掃除機界にあって、デュオの家のそれは260Wで轟音をまき散らす時代錯誤なものだった。今では骨董と言われる代物だ。デュオがそいつを使用するときは、カトルは別の部屋に逃げ込んでいた。
ブイイイィィィィーーーーーーーーンンンンッッ。
の間は、カトルは別室から出てこない。
「カトル、掃除機かけっぞ」
と言うと、
「はいッ! ひゃひゃひゃひゃひゃあ~~~」
と、ふにゃふにゃ小走りで逃げてゆく。
大慌てで非難するカトルにデュオは苦笑していた。
リビングに掃除機をかけているときに、デュオは悪ふざけで、スイッチをオンにしたまま、カトルの避難場所にその時なっていたベッドルームをそっと覗いて見たことがあった。想像通りベッドの中で丸くなってビクビクしていた。
それでもデュオの役にたくさんたちたいカトルである。
あ~あ。どうしたものでしょう。
ね……。
コロコロコロ、ころころころ。
仮眠後のカトルは取り出したお掃除器具を絨毯にコロコロ転がしていた。これはいい、ころころと転がるそこがベタベタとした粘着質なものになっていて、絨毯の細かいゴミやホコリも引っ付けてしまうのだ。粘着質の筒のついた棒はコロコロ、コロコロと微かな音を立てるだけで、カトルを脅かすものではない。
「これは、とても、いいです」
体操のあとはコロコロ。
カトルはデュオに、
「キレイになったじゃないかカトルぅ~!」
と、喜んでもらうため、新しく見つけたお仕事にご執心だ。地道なカトルの働きによりデュオのカーペットやソファーはいつも清潔で心地好い。
カトルはデュオに喜んでもらうため、また新しい仕事を探している。今はコロコロだが、いつか、なにか別のことだって。
いつだってカトルは考えている。
――――デュオが、たくさん、たくさん、喜んでくれますように。
カトルの夢はいくつ叶うのだろう。
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初出 2003年1月5日「ハッピーシープ4」
それに加筆訂正をしました。
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たみらむゆき軍曹&碧軍曹
性別:
非公開
職業:
カトル受専門の夢想家(野望)
趣味:
カトルいじり・カトル受妄想
自己紹介:
むゆきと碧
2人のカトル受限定軍曹が
同志を募って
集って憩ってしまう場を
つくろうと
もくろんだしだいであります。
小説や絵を
UPするのであります。
日記は書く気なし!
(そして、
まともなプロフィールを
語る気もなし。。笑)
軍曹はカトル・ダーリンズ
だいちゅきトークが
したいだけでありますから!
「我軍曹ッ!」
の名乗り随時募集中v
いつか、軍曹の集いを
したいものでありまっす★
しかして、
「なぜ軍曹?;」と、
大半の方に思われてるだろう。。
カトル受最前線で戦い続けるため
出世しすぎて
外野にはいかないからの
万年軍曹であります!
ちなみに最近急に
自分のことを、
「4受大臣」とも名乗るように。
「4受大臣補佐官」など(笑)
こ、これは進化なのか!?(笑)
我が魂、
カトル受とともにあり★(ビシッ!)
2人のカトル受限定軍曹が
同志を募って
集って憩ってしまう場を
つくろうと
もくろんだしだいであります。
小説や絵を
UPするのであります。
日記は書く気なし!
(そして、
まともなプロフィールを
語る気もなし。。笑)
軍曹はカトル・ダーリンズ
だいちゅきトークが
したいだけでありますから!
「我軍曹ッ!」
の名乗り随時募集中v
いつか、軍曹の集いを
したいものでありまっす★
しかして、
「なぜ軍曹?;」と、
大半の方に思われてるだろう。。
カトル受最前線で戦い続けるため
出世しすぎて
外野にはいかないからの
万年軍曹であります!
ちなみに最近急に
自分のことを、
「4受大臣」とも名乗るように。
「4受大臣補佐官」など(笑)
こ、これは進化なのか!?(笑)
我が魂、
カトル受とともにあり★(ビシッ!)
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