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~来タレ我軍曹!×4受限定軍曹&4受大臣憩いの場★~    
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《ただ一つの捜し物》

トロワ×カトル
ショートショートです。
たとえばこんな出会い編、な~んてね。
小説は本文を読むからどうぞ。


《ただ一つの捜し物》


 招かれたのに、チャイムを鳴らしてもうんともすんとも反応がない。きびすを返そうかと思ったが、「無反応な時には勝手に上がってくれ」とヒイロに言われていたことをトロワは思い出した。
 廊下通り真っ直ぐにアトリエに向かう。彼がいるとすればますそこ以外には考えられなかった。アトリエが屋敷の一番奥にあることは耳にしていたことだ。
 開いていたドアからトロワの目に飛び込んできたのは、ソファで眠っている人物だった。テラスから射す陽光の中にその人はいた。
 薄桃色をうっすらと刷いた透けるように白い肌に、まつ毛が影を落としている。トロワには人形が眠っているように見えた。
 立ち止まるトロワによく知る声が、
「死体じゃないから安心しろ」
 と、告げてきた。
「そいつなら、うたた寝をしているだけだ、気にするな」
 視線を移した場所にスケッチブックを片手に右手を忙しなく動かしているヒイロがいた。
 することがないからデッサンをとっているのだろうか。
「人物は描かないんじゃなかったのか」
 何者だとトロワはヒイロに視線で尋ねる。
「愛玩動物だ」
 ヒイロは冗談をいう奴ではないが、答えになっているのだろうか。
 人の声が耳をさしたのか話題の渦中にある人物が身じろいだ。
 うっすらと眼を開けたその人の視界にはトロワがいたのだろう。ビクッと身を竦ませると、小さな声で言った。
「……こん、にちは」
 起き抜けの一声にしてはどうだろう。
「相手が強盗でもそうなのか」
 呆れたヒイロの声に少年は、今度は跳ね起きるようにしてそっちを見る。
「ヒイロ」
 少年はソファに起き上がると髪を数度撫で付けて、トロワに向けてペコリとお辞儀をした。
「ヒイロの幼なじみでカトルです。この、隣に住んでいます」
 ふわりと微笑んだ少年の口からヒイロから出たような《愛玩動物》なる言葉はなかった。カトル本人はヒイロの発言をきいたとき、どんな反応を示すのだろうかとトロワは思う。
「構わないのか」
 尋ねるトロワ。
「保護者じゃない」
 ヒイロの答えは簡潔だった。
 トロワはカトルが座るテラス近くのソファに近づいた。
 縮まる距離に合わせカトルの首の角度が上向いていく。
 大きな瞳は地球の色をしていた。雪肌にほんのり色づく桜の色は、華奢な躰によく似合う。どこを捜せばこんな少年と出会えるのだろうか。圧倒的な透明感。
「ヒイロの友人のトロワだ」
 微かに微笑んだように見えたトロワに誘われるように、長身の彼を見つめてくるカトルの鼓動が大きくなっていくことに、トロワは気が付いていた。
■FIN■
2003年5月11日「サクラサク」より
少しだけ加筆訂正しました

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たみらむゆき軍曹&碧軍曹
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非公開
職業:
カトル受専門の夢想家(野望)
趣味:
カトルいじり・カトル受妄想
自己紹介:
むゆきと碧
2人のカトル受限定軍曹が
同志を募って
集って憩ってしまう場を
つくろうと
もくろんだしだいであります。

小説や絵を
UPするのであります。
日記は書く気なし!
(そして、
まともなプロフィールを
語る気もなし。。笑)
軍曹はカトル・ダーリンズ
だいちゅきトークが
したいだけでありますから!

「我軍曹ッ!」
の名乗り随時募集中v
いつか、軍曹の集いを
したいものでありまっす★

しかして、
「なぜ軍曹?;」と、
大半の方に思われてるだろう。。

カトル受最前線で戦い続けるため
出世しすぎて
外野にはいかないからの
万年軍曹であります!

ちなみに最近急に
自分のことを、
「4受大臣」とも名乗るように。
「4受大臣補佐官」など(笑)
こ、これは進化なのか!?(笑)

我が魂、
カトル受とともにあり★(ビシッ!)
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